■ 『シンチレーション検出器』の解説
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シンチレーション検出器(しんちれーしょんけんしゅつき)は電離放射線を測定する測定器である。廉価で作ることができる割には計数効率が良いので、広く使用されている。アントワーヌ・アンリ・ベクレルの研究成果、すなわちある種のウラン塩類の燐光を発見した事に基づく装置である。
概要
電離放射線を受けたシンチレータから出た蛍光を、敏感な光電子増倍管が測定する。光電子増倍管は電子アンプ等の電子機器につながっていて、光電子増倍管が発生した信号の数と振幅を測定する。これがシンチレーション検出器の基本的なしくみである。
シンチレータと呼ばれるセンサーは、電離放射線に照射されたとき蛍光を放つ以下のような物質から作られる。
また、小型化・低電圧での使用が求められる場合や、高磁場で光電子増倍管の使用が適さない状況で使用する場合などでは、フォトダイオード読み出しのシンチレーション検出器も使用されている。
ガンマ線検出器の単位体積当たりの計数効率は、検出器中の電子密度に依存する。ヨウ化ナトリウムやゲルマニウム酸ビスマス、ヨウ化セシウムのようなある種の蛍光物質は、原子番号の大きい元素を含んでおり高い電子密度を持っているので、効率が良くなる。中性子検知器の場合には、中性子を効率的に散乱させる水素を豊富に含む蛍光物質を用いることで高い効率が得られる。ベータ線の量を計る効率的・実用的な手段は、液体シンチレーション検出器の使用である。
ガンマ線分光分析を行う場合は、半導体検出器が好まれる。シンチレータより高いエネルギー分解能を持っている超高純度ゲルマニウム半導体検知器などである。
分光計としてのシンチレーション検出器
シンチレータは、しばしば高エネルギー放射線の一個の光子を、多数のより低いエネルギーの光子に変換するのだが、低エネルギー領域では、メガ電子ボルト当たりの光子の数はほとんど一定である。したがって蛍光(X線またはガンマ線によって生成された光子の数)の強度を測定することによって、オリジナルの光子のエネルギーを特定することが可能である。
分光計は、適切なシンチレータ結晶、光電子増倍管、および光電子増倍管によって製作されたパルス電流の高さを測定するための回路から成る。パルスの数を計数し、そのパルスの高さの順にソートすると、シンチレータの蛍光明るさに対する蛍光の数のx-yプロットができる。これは放射線のエネルギースペクトルを近似している。単色のガンマ線はそのエネルギーで光電ピークを作る。
この検知器は、コンプトン散乱、片方あるいは両方の対消滅光子が漏れたとき電子-陽電子対生成の光電ピークより低い0.511MeVと1.022 MeVに現れる2つの小さなエスケープピーク、および後方散乱ピークといった、低いエネルギーでもレスポンスを示す。2つ以上の光子が検知器をほとんど同時に入射する(DAQ鎖の時間分解能以内に蓄積する)場合、最大で2つ以上の光電ピークの合計のエネルギーを持つピークが現われたように見えるため、より高いエネルギーが検知されることがある。
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