■ 『七つの海のティコ』の解説
『七つの海のティコ』(ななつのうみのティコ)は、フジテレビ系列『世界名作劇場』で放送されたテレビアニメ作品である。放送期間は1994年1月16日から同年12月18日、全39話(内、テレビ未放送が1話分あり)。
特色
『世界名作劇場』シリーズの初にして現在まで唯一の完全オリジナル作品である。また、主人公は東洋系(日系アメリカ人)という設定で、日系人が主人公というのも、作中に日本が登場したのもシリーズ初にして唯一である。更には、世界名作劇場シリーズやそれ以前のシリーズも含め、放送当時の「現代(1994年当時)」を時代背景とした唯一の作品である。
世界名作劇場20周年記念作品として制作。
第10話からはハウス食品以外の番組提供スポンサーが加わり、ハウス食品の単独スポンサーではなくなった。そのため、これまでのこの枠の名称『ハウス食品世界名作劇場』が『世界名作劇場』に変更された。「ハウス食品の提供で送る」と言う旨の主人公ナナミのアニメーションと台詞も第10話からなくなった。以後は、提供用に描き下ろされたシーンにテロップが映され、提供読み上げはフジテレビのアナウンサーが担当した(これは、地上波最終作の『家なき子レミ』まで続く)。なお、複数社提供でハウス食品提供枠の浮いた分は『ブロードキャスター』(TBS系)の番組提供(1分)に回された。この提供は現在の『情報7days ニュースキャスター』まで続いている。
林原めぐみ、水谷優子、池田秀一など人気声優出演でアニメファンからは評価が高かったものの名作劇場の主な視聴者である子供と母親には不評で、前作『若草物語ナンとジョー先生』より低視聴率に終わった。この番組で視聴者離れが進み数年後に名作劇場枠終了のきっかけを作った番組でもある。
キャラクターデザインは数人のアニメーターに依頼をして選抜されたのが森川聡子である。(他の作品では、ほとんどがプロデューサーが決めてしまう事が多い)理由としては外注より社内班の人間の方が予算が安いとされている。 他に仮デザインを担当したアニメーターは、小松原一男、高野登、佐藤好春などがいた。
ストーリー
早くに母を亡くした主人公の少女・ナナミは、海洋生物学者の父・スコットと相棒のアル(アルフォンゾ)とともにティコというシャチを連れて海洋調査船「ペペロンチーノ号」で暮らしながら世界中を旅している。目的は伝説の生き物「ヒカリクジラ」を探すことだが、なかなか手掛かりすら見つからない。冒険好きのお嬢様女子大生・シェリルと、スコットの大学時代の先輩の息子・トーマスを仲間に加え、ヒカリクジラを捜し求めて世界中の海へ冒険の旅に出る。
しかし、トロンチウムを探し求めている組織「GMC」がヒカリクジラからトロンチウム反応が出ることを突き止めると、GMCはヒカリクジラを捕獲し、生態調査を始める。人間の技術進歩が他の生物の犠牲の上に成り立つことがあってはならないと考えるスコットは、GMCへと乗り込む。
ペペロンチーノ号乗組員
- ナナミ・シンプソン
- 声 - 林原めぐみ
- アメリカカリフォルニア州バークリー出身の11歳の少女で、父親に同行し世界を旅している。1982年4月14日生まれ。アメリカ人の父親と日本人の母親との間に生まれたハーフで、名前は日本語の「七つの海」に由来する。母親は彼女が3歳の時に死去。シャチのティコとは一心同体で、5分以上、水深100m以上素潜りができる。髪はオレンジ色。食欲は旺盛だがテーブルマナーを知らないため、食事の場で悪戦苦闘したということもあった。
- スコット・シンプソン
- 声 - 池田秀一
- ナナミの父。カリフォルニア大学を卒業後、海洋生物の研究室に入るが、仲間達と研究の考えが食い違うようになり、研究室を飛び出す。海洋調査のため、そして幻のヒカリクジラを探すため、ナナミとともにペペロンチーノ号で世界中の海を旅している。髪は濃い茶色で、顎ひげを生やしている。
- アルフォンゾ・アンドレッティ
- 声 - 緒方賢一
- ヨーロッパの港でスコットと知り合いペペロンチーノ号に乗り込んだ、シチリア沖の島出身の男性。通称・アル。船はもちろん、機械全般や電気工学にも明るいようで、潜水球「スクイドボール」を開発した。宝探しをしたり停泊地でカニを売ったりして一儲けしようとするが、いつも失敗するためナナミやスコットから苦笑いされている。祖母のロザリントには頭が上がらない。
- シェリル・クリスティーナ・メルビル
- 声 - 水谷優子
- メルビル財閥の一人娘で、イギリスの大学の経済学部に通う大学生。冒険を求めてペペロンチーノ号に乗り込む。わがままで気が強い典型的なお嬢様だが、好奇心旺盛で行動力も抜群。強がった言動が多いが、ナナミが辛い時には姉のように接するなど、実は優しい性格である。ヘリコプターと飛行機を各1機墜落させたことがある。
- トーマス・ルコント
- 声 - 松井摩味
- アメリカ出身の10歳の少年で、バハマでナナミたちと出会う。嘘つきで内気な性格だったが、父親であるルコント博士から離れ、ナナミたちと冒険をすることに。コンピュータ操作が得意で、ゲームを作ることもできる。なお、彼の愛機は外観からアップルコンピュータ製のPower Bookであると言われている。
- ジェームス・マッキンタイア
- 声 - 増岡弘
- メルビル家に仕える執事。1日6回のティータイムを大切にするイギリス人紳士で、フランス製の製品が嫌い。寝る時に大きないびきをかく。忠実な執事として仕えているが、暇を出されるのを覚悟して主に意見したり、シェリルの暴走を諫めるなど、芯の通った一面がある。日本の鉄道の時間の正確さに感動する。
生物
- ティコ
- 全長8メートル、体重7トンの大きなシャチ。推定年齢18歳のメス。スコットが幼いティコを助けた日にナナミが生まれた。ナナミとは一心同体の存在である。いたずら好きな性格をしている。物語の中盤でジュニア(下記)を出産するが、北極でアルを助けるため命を落とす。
- ティコジュニア
- ティコの子供。生まれたばかりの頃は「ジュニア」と呼ばれていたが、母ティコ亡き後はナナミから「ティコ」と呼ばれるようになる。母親に似て、大のいたずら好き。
- ヒカリクジラ
- スコットが7年間探し求めてきた伝説のクジラ。このヒカリクジラからトロンチウム反応が出るため、GMCが捕獲を試みている。物語最終盤ではナナミによって、彼らが神のような存在であることが描写された。
- ロロ
- 声 - 山田ふしぎ
- リチャード(下記参照)が飼っているオウム。
- ツピック
- トゥッピアといつも一緒にいる犬。4歳のトゥッピアを背負い、50マイル(約80km)歩き続けて帰ってきたという。
GMC関係者
- ルコント博士
- 声 - 納谷六朗
- トーマスの父で、スコットの大学時代の先輩。研究方針の違いからスコットとは袂を分かっているが、GMCの手段を選ばないやり口には嫌気がさしており、研究者としての矜持はスコット同様に持ちあわせている。
- ナターリャ・カミンスカヤ・ベネックス
- 声 - 川島千代子
- 世界経済乗っ取りを企むGMCの女幹部。トロンチウムを探すためにルコントを援助しており、トロンチウムを利用して生物兵器の開発を企んでいる。世界名作劇場では珍しい「反省したり改心したりせず悪人のまま死んでしまう悪役」であり、唯一爆死を経験したキャラクター(搭乗していたヘリコプターもろとも調査基地に衝突して爆死)である。
- ゴロワ
- 声 - 山下啓介
- GMCの一員。ルコント博士に言わせると「くだらない男」。トロンチウムを手に入れるため、ルコントを利用する。
その他の登場人物
- メタル・クロー
- 声 - 郷里大輔
- 密輸を企む組織・リオコネクションの一味。右手は金属製の鋭利な爪が付いた義手。黒服の部下達を率いている。
- リチャード
- 声 - 塩屋翼
- 世界中を旅しているカメラマン。リオコネクションがアザラシを殺し、銃を密輸する現場を偶然に見てしまい、リオコネクションから追われることになる。「リチャード!」と鳴くオウム・ロロ(上記参照)を飼っている。
- ゲイル
- 声 - 石丸博也
- アフリカで出会った青年。財宝を求めて旅をしている。魚が嫌いで、ティコのことも「魚の化け物」と言って腰を抜かす。口の悪い軽薄そうな男であるが、ティコを乗せたトラックが炎天下で立ち往生しているところに水を持って駆けつけてきたり、オーストラリアでナナミ達と再会した後、ダイオウイカにとりつかれたペペロンチーノ号のピンチに飛行機で助けにくるなど、実はなかなかの熱血漢である。
- ジョージ・タフト
- 声 - 石塚運昇
- アメリカ上院議員で大富豪。2年前にクルーザー事故を起こして娘を死なせてしまう。以来、タフト家は家族の絆を失う。泳ぎが苦手。
- メグ・タフト
- 声 - 高島雅羅
- ジョージの妻。出会ったナナミが死んだ娘の面影と似ていたため、娘との、家族との楽しかった日々を思い出してしまい、泣き出してしまう。
- テリー・タフト
- 声 - 冬馬由美
- ジョージとメグの息子。クルーザーの事故で命は助かったが、歩けない体になってしまった。
- マギー・タフト
- 声 - 笠原留美
- ジョージとメグの娘で、テリーの双子の妹。2年前のクルーザーの事故で亡くなる。ナナミに顔が似ていた。
- ロザリント
- 声 - 京田尚子
- アルの故郷・シチリア島に住む、アルの祖母。気性が激しく、帰ってきたアルを張り倒すほど元気なお婆さん。料理が上手い。
- ルイージ
- 声 - 田口昂
- シチリア島の村長。ロザリントおばあさんには頭が上がらない。
- エンリコ
- 声 - 島田敏
- ロザリントの孫で、アルの従兄弟にあたる。
- ジョルディーノ
- 声 - 西村知道
- 島にやって来たナポリの開発業者の職員。島を乗っ取り、巨大なカジノや観光地を建設しようとした。
- マルセリーニ
- 声 - 徳丸完
- ナポリの開発業者社長。元はニューヨークマフィアの殺し屋で、人質を取ってでも目的を果たそうとする。
- メルビル
- 声 - 阪脩
- シェリルの父で、メルビル財閥の会長。早くに妻を亡くしている。典型的なワンマンで親バカだが、シェリルとの縁談を壊すまいとしたフィリップ・ビルモアの嘘を見抜いて一喝するなど、曲がったことが嫌いな一面も持ちあわせている。
- フィリップ・ビルモア
- 声 - 家中宏
- イギリスの有名大学を首席で卒業し、メルビル財閥が所有する北海油田の責任者となる。しかし、杜撰な管理が祟り、油田事故を起こしてしまう。さらに、事故の責任を現場の部下になすりつけて誤魔化そうとしたがメルビル父娘に一瞬で見抜かれ、掴みかけていたシェリルとの縁談とメルビル財閥後継者の座をふいにしてしまい、あげく大降格されてしまった模様。
- トゥッピア
- 声 - 矢島晶子
- イヌイットの少女で、年齢はまだ6歳。スコットたちに協力する。
- アンジュアン
- 声 - 岸野幸正
- コモロ諸島のバーの店主。人に情報を教えては金を催促する。ゲイルの知り合い。
- 洋子・シンプソン (ようこ・シンプソン)
- 声 - 藤井佳代子
- ナナミの母。瀬戸内海にある小島の出身で、アメリカ留学中にスコットと知り合い結婚。しかし、ナナミが3歳の時に交通事故により亡くなる。
- 渚 (なぎさ)
- 声 - 岡本麻弥
- 洋子の妹で、ナナミの叔母。ナナミ達が洋子の生家を訪れた時にいろいろと世話をしてくれた。母の記憶がないナナミを不憫に思い、生前の8mmフィルムを見せて失っていた母との思い出を思い出させる。
各話リスト
※第31話は初回放送では未放送。
CD
いずれのCDにも、上記オープニングテーマ『Sea loves you』とエンディングテーマ『Twinkle Talk』が収録されている。
- シングル
- サウンドトラック
- 七つの海のティコ Song Collection (1994年8月1日、発売元:フォルテ・ミュージックエンタテインメント、販売元:日本コロムビア)
- 七つの海のティコ Music Collection (1994年12月1日、発売元:フォルテ・ミュージックエンタテインメント、販売元:日本コロムビア)
- ドラマCD
- 七つの海のティコ 百万ドル争奪 ウルトラマリン・グレートレース (1994年8月21日、発売元:フォルテ・ミュージックエンタテインメント、販売元:日本コロムビア)
- レーザーディスク(全5巻)現在廃盤
- 第5巻(最終巻)に音声特典として挿入歌のインストルメンタルヴァージョンが収録されている。
第31話がテレビ放送されなかった理由
第31話『シェリルとスコット無人島の一夜』は、放送予定日当日に行われたプロ野球中継が雨天中止にならなかったために未放送に終わった。現在では再放送、DVD等では普通に視聴する事が可能である。
- 収録メディア
- LD(レーザーディスク)1995年4月25日 発売元:バンダイビジュアル 第4巻 廃盤
- VHSビデオソフト 発売元:パイオニアLDC(現:ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメントジャパン) 第8巻 廃盤
- DVDソフト 2001年10月25日発売 発売元:バンダイビジュアル 第7巻 入手可能(レンタルあり)
※Blu-ray Discソフトは現時点で未発売。
豆知識
- 毎回のサブタイトルは、メルカトル図法の地図をバックに表示される。
- 毎回のアイキャッチは、左上に地球が、右上にナナミとティコが配置されている。また、下の方に大きく「七つの海のティコ」と書かれている(Aパート・Bパート共通)。
- 主人公ナナミは、シェリルやスコットから"ナナミ"ではなく"ナナミ"と呼ばれている(太字はアクセント)。
- 原案者の広尾明によるノベライズ作品が角川スニーカー文庫から、草原ゆうみによるノベライズ作品が竹書房文庫からそれぞれ出版されている。両者の内容は若干異なっており、草原ゆうみ版ノベライズはテレビアニメ版に忠実に作られている。
- 2000年に出版された『世界名作劇場大全』に、作品が製作された背景についての辛辣な評価と裏話が掲載されている。
- 篠塚満由美名義で発売された OP/ED を収録したシングルCDは現在と違ってシングルCDの規格がまだ8cmだった頃に発売されたものである。通常、8cmCDは縦長のケースに封入されており、ケースの仕様が紙とプラスチックで出来ている物の場合、紙の裏側(ケースを開いた際にCDの上に来る部分)に歌詞が記載されているが、このCDケースの場合は無記載である。その換わりに歌詞の記載された別紙が封入されている。こうした形態は、演歌のシングルCDではよく見られた。
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■ 『七つの海のティコ』の解説 by はてなキーワード
若草物語ナンとジョー先生→七つの海のティコ→ロミオの青い空
原作
なし(オリジナル)
放映期間
スタッフ
- 監督 高木淳
- キャラクターデザイン 森川聡子
- 音楽 美和響
主題歌
キャスト
- ナナミ・シンプソン 林原めぐみ
- スコット 池田秀一
- アル 緒方賢一
- シェリル・メルビル 水谷優子
- ジェームズ 増岡弘
- トーマス・ルコント 松井摩味
- ルコント博士 納屋六朗
- べネックス 川島千代子
- 洋子 藤井佳代子
- 渚 岡本麻弥
- アルのおばあちゃん 京田尚子
- メタルクロー 郷里大輔
- ティコ(ペット:シャチ)
- ティコジュニア(ペット:シャチ)
主題歌CD付き文庫
DVDリスト(サブタイトルリスト)
第1巻 第1話 シャチをつれた少女 冒険者ナナミ 第2話 カリブの海賊は子供をねらう!? 第3話 大西洋のギャングがやって来る? 第4話 逃げて逃げて逃げまくれ!! 第5話 リオデジャネイロは眠らない 第2巻 第6話 シロナガスクジラに逢った日 第7話 大西洋の底 トーマスひとりぼっち 第8話 ザイール川の沈没船 秘宝の謎 第9話 幻の地底湖に浮かぶ希望の船 第10話 ペペロンチーノ号が陸を走る! 第3巻 第11話 プリンセス・ナナミ エーゲ海の夢 第12話 もう一人のナナミと幸福な家族 第13話 ああ!トーマス君の人生最悪の日 第14話 豪傑!シチリア島のアル婆ちゃん 第15話 素晴らしき団結!空に舞うナナミ 第4巻 第16話 新しい仲間!!ティコの赤ちゃん! 第17話 がんばれジュニア!最初の深呼吸 第18話 え!!シェリルさん ついに婚約!? 第19話 北海油田大パニック 海鳥を守れ! 第5巻 第20話 ジュニアはナナミがきらいなの!? 第21話 光る氷山!北極海のオーロラ伝説 第22話 氷の迷宮!埋もれたままの時間 第23話 さようなら永遠に!ティコの死 第6巻 第24話 命を継ぐ者 海に響くクジラの歌 第25話 日本へ!母さんの思い出を訪ねて 第26話 お母さんに会えた!遠い夏の日 第27話 霧の怪談!セントエルモの幽霊船 第7巻 第28話 スクイドボール2号 深海をゆく! 第29話 ナナミの冒険 チョウの舞う島! 第30話 永遠の美しさが手に入る奇跡の卵 第31話 シェリルとスコット無人島の一夜 第8巻 第32話 シーラカンスの海へ 光る怪物の謎 第33話 スコット応答せず!!悪魔の棲む海 第34話 帆をあげろ!大追跡ヒカリクジラ 第35話 ラストチャンス!父さんの祈り 第9巻 第36話 ヒカリクジラが危ない 悪魔の襲撃 第37話 動き始めた野望!南極大陸の城 第38話 ヒカリクジラの導き 鉄の城の最後 第39話 それぞれの旅立ち・永遠の光の輪 完結版
補足
- 第31話はテレビ未放映

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