■ 『ディアボロ』の解説
ディアボロとは、ジャグリングの道具の一種で、空中で回転させるタイプの独楽(こま)である。お椀を2個つなげたようなコマを、2本のハンドスティックに通した糸でまわすことにより安定させ、操る。中国ゴマと呼ばれているものも、同じしくみのものである。
回し方
中央の狭くなった部分の下に紐を通し、紐の一方を高く上げれば、コマは低い方へ移動し、その際、紐との摩擦によってコマは回転する。次に素早く反対側の紐を引くと、紐とディアボロとの間はすべって、紐を戻すことができる。そこであらためて、最初の方の紐を引き、ディアボロの回転を速くしてゆく。回転が速くなれば、コマは紐の上で安定して回り続けるようになる。
なれると、コマを用いてさまざまな芸ができるようになる。基本的なのは、以下のようなものである。
基本的な技
- ハイトス
- 回転しているディアボロをゆるめた紐の中央に置いて、ぶら下がった状態にしておき、急に紐を左右に引っ張ると、ディアボロはまっすぐに上に放り投げられる。落ちてきたディアボロを紐を斜めに張って、紐の上を滑らせるようにゆるめながら受け止める。他人と投げ合ったりもできる。
- 応用として一度ディアボロをバウンドさせてからひもの上で受け止める技もある。これは、バウンド時にディアボロがどこに飛ぶか見極められないと成功させられないため、見た目に反してかなり難しい技である。
- ムーンサルト:ディアボロの最も初歩的な技。片側のスティックを反対側の紐に引っ掛け、そのまま回してさらに紐にディアボロを乗せる技。二重、三重にもできる。トラピーズとも呼ばれる。
- オービット
- ムーンサルトと同じく、ディアボロの最も初歩的な技。ディアボロを右側から左側へと移動させた後に、左側から右側にむかって投げ上げてキャッチする。足の周りをまわすとアラウンドザレッグ、腕の周りをまわすとオーバーアームオービットとなる。
- アラウンドザレッグ
- 紐を足の下に通して、回転しているディアボロを足の周りを回す技。
- サン
- ディアボロを大きく一回転させるようにして振り回す技。
- エレベーター
- ディアボロの軸の周りに紐を一巻きし、紐を上下に引っ張ると、回転の向きに応じてコマが紐の上を上下に移動する。
- クロスオーバー
- 手を交差させてコマを左右に振る技。ディアボロの加速に使う。
- ラップ
- ディアボロの軸の周りに紐を一巻きしてからコマを上下に振る。ディアボロの加速に使う。
- スピードループ
- ディアボロの軸の周りに紐を一巻きし、円を描くように体の前で回す技。ディアボロの加速に使う。
- チャイニーズアクセラレーション
- ディアボロの軸の周りに紐を一巻きし、コマを縦に振り回す技。ディアボロの加速に使う。
- エクスカリバー
- ディアボロの軸の周りに紐を一巻きし、左手を上げてチャイニーズアクセラレーションをすることで、ディアボロの軸の向きを地面と垂直にする技。バーティカルディアボロ、ホライゾンディアボロ、ヴァータックス(vertax:vertical axisの略)、3Dとも呼ばれる。
- フライフィッシング
- ディアボロを真上に低めに投げ上げ、人差し指をはさむなどしてスティックをV字型に広げて、空中のディアボロに片側の紐を勢いよく引っ掛ける技。ウィップとよばれることもある。
- グラインド
- ディアボロをスティックの上に長時間乗せる技。
- スティックリリース
- 片方の手のスティックを手放し、ディアボロを軸にして、地面に垂直に一回転させて再び同じ手でキャッチする技。複数回転させたり、両手とも手放したりなど、様々なバリエーションで表現できる。スーサイドと呼ばれることもある。
- キャッツクレイドル
- 何らかの方法で、紐がX字状に交差しているように固定してその上にディアボロを乗せて回転させ続ける技。ハイトスなどに繋げることも出来る。技名は、技の様子が猫の目に似ていることに由来する。
- フラットパス
- ハイトスの要領で多人数でディアボロを交換する技。
- ウインドミル
- ふたつ以上のディアボロを手元で回す技。複数のディアボロを使う技の基本。
ヨーヨーとの共通性があり、似た技も多い。
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ミスター・ディアボロ | ||
結果的には著者唯一の本格ミステリーで却って良かったのかも知れません。(参考になった人 5/9 人)
イギリスのスパイ・冒険小説界のベテラン作家レジューンが30代の若き日1960年に著した唯一の本格ミステリー長編小説です。本書のタイトルの人名ディアボロはギリシャ語で悪魔を意味する言葉だとの事です。探偵役は全長編小説9作の内6作に登場する陸軍省所属の好漢アーサー・ブレーズで、ワトスン役は彼の元部下で外務省所属のアリステア・バークが務め同時に本書の語り手となります。 イギリスの西洋学研究部で開かれた学会の夕食会の席上、大学で過去に起きた不気味な「ミスター・ディアボロ」の伝説が披露された直後に、まさに当人と思しきシルクハットにマント姿の怪人が中庭に現われ、皆が追う内に裏手の〈悪魔の小道〉と呼ばれる路地に逃げ込み、そこで帽子とマントを残して忽然と姿を消してしまう。しかも、その夜ある学会会員が密室状況で死体となって見つかり、アメリカから来たバークは当地に滞在していた元上司のブレーズ、恋人のバーバラ、地元警察のリンゼイ警視らと共に事件の謎を追う。 本書は冒頭から密室ミステリーの巨匠J・D・カーの世界を髣髴とさせる魅力的な不可能興味に溢れてはいるのですが、作風の決定的な違いは怪奇性の描写が淡白で悪魔が終始狂言回しとしか考えられない冷静で現実的に過ぎる怪奇浪漫趣味の欠如でしょう。被害者が女たらしの卑劣漢だと判明すると朧気に動機が見えて来ますし、何よりもトリックの解明部分があっけない内容で、魅力的な謎との落差が大き過ぎてがっかりしてしまいました。ミステリーと言う分野は難しい物で、埋もれていた傑作という触込みに勢い込んで期待すると逆に裏切られる事も多く、慎重に精査する必要があるなと痛感します。それでも、探偵が全員を一堂に集めて謎解きを披露する古典的名場面から一転して狂気の殺人者の追跡へと転換するサスペンスの盛り上げはお見事で、著者が本作以降冒険小説の分野で活躍される才能の萌芽を感じました。 |
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